子どもの安全は確保されていますか?
私も2人の子どもをもつ父親でもありますが、学校や幼稚園・保育園などは安全な場所だから安心して子どもを預けることができています。しかし、これらの安全は危険なことや不測の事態に耐えうるような様々な対策の上に成り立っていることを忘れてはなりません。
いつも子どもたちの安全を守ってくれている先生方には感謝しかありません。
いつもありがとうございます。
そして、サッカーコーチとしてグラウンド上で起こりうる危険なことを排除できているだろうかと自分に矢印を向けて、振り返ってみたいと思います。
みなさんも今からあげる項目が自分達のクラブや指導現場でどう考えられているか、対策されているかを確認しながらご覧いただければと思います。
育成年代のサッカーで起こりうる危険といえば、大きく分けてこの5つくらいかなと思います。
①設備(ゴール)に関わる事故
②落雷
③脳震盪
④突然死
⑤熱中症
これ以外にもトップカテゴリーになれば死に直結してしまう事例もあります。
インドネシアでは観客が125人死亡という痛ましいニュースが先日ありました。
育成年代で配慮すべきポイントを見ていきたいと思います。
設備(ゴール)に関わる事故
ゴールが転倒し、子どもの頭に当たり死亡する事故があります。設備不良の場合というものはあまり聞いたことがありません。ゴールが風で倒れる、子どもが倒したところに子どもがいたなど。あらゆる方法で簡単に子どもの命は奪われてしまいます。
少し古い資料ですがご参考までに↓
落雷
数は少ないものの落雷による死亡事故は避けられるものと捉えることができます。
ゴロゴロとなったらすぐ中止。判断は早いに越したことはありません。
もうちょっとと無理をすることが危険につながります。
日本サッカー協会でも
「サッカー活動中の落雷事故の防止対策についての指針」
を出しています。
↓参考(死には至っておりませんが、落雷の衝撃を映した貴重な映像だと思います。)
サッカーのユース選手に落雷、その瞬間をカメラが捉える ロシア - YouTube
脳震盪
脳震盪とイメージしてみなさんは「意識が一瞬なくなる」といったイメージをお持ちではないでしょうか。
実は脳震盪の約9割が意識消失を伴わないと言われています。
スポーツ関連脳震盪研究会では脳震盪の10兆候というものを指定し、これの中で1つでも該当するものがあれば、プレー続行を中止するよう呼びかけています。
詳細は、スポーツ関連脳震盪研究会ホームページをご覧ください。
また、脳震盪後の復帰に関してはJFAでもメディカル関係者向けではありますが、脳震盪に関しての指針を示しています。
ここでは復帰へのプログラムも示されています。
また、頭を強く打っているような受傷起点であれば、頚部(首)の損傷も同時に評価していく必要があります。首は頸髄と言って脳から全身に張り巡らされている神経の束が詰まっている部位です。頚部の損傷がある場合、下半身麻痺や最悪の場合呼吸麻痺などの恐れもありますので注意が必要です。
強い衝撃で倒れているような場面ではむやみやたらに動かしてはなりません。
頭の外傷では頭部保持が基本となります。
突然死
サッカープレー中に突然倒れてしまい命を落とした松田選手は有名です。
これ以降、日本には一気にAEDが普及しました。
news.yahoo.co.jp心停止(心室細動)に威力を発揮するAEDは、広く普及されましたが、「バイスアンダー」と言われる「そばにいる人」がどう行動するかで予後(その後の回復)が決まると言われています。
ぜひ正しい知識と対応を身につけていただきたいと思います。
参考までに以前私が書いたブログを貼っておきます。
熱中症
最も現場では頻度が高いというか、出会う可能性が高い症状だと思います。
熱中症には熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病という分類があります。しかし、現場でこれらを症状別に分類して対応することは困難です。
体調に変化があれば、運動は中止し、観察を続けます。
冷暗所に移し、体を冷やす。意識障害がなければ経口水分摂取、OS-1のようなものをグラウンドに用意することが大切なことでしょう。
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もし、意識障害があればすぐに医療機関へということが基本対応となります。
日本スポーツ協会では以下のガイドブックでうまく説明してくれています。
また、JFAでも暑熱対策と水分補給という部分でホームページにも記載がありました。
他の項目でも言えることですが、熱中症は特に予防が大切です。
WBGT(Wet Bulb Globe Temperature湿球黒球温度)値を測り、規定値以上であれば運動を中止するという対応が可能です。
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このようなものを用意できない場合は環境省のホームページで大枠でWBGT測定値をリアルタイムで公開してくれていますので、こちらをご確認いただくのも良いかもしれません。
どうでしたか?
5つ例に挙げて子どもの危険について触れてきました。
どの項目も基本的には予防と対策が必要だと思いますし、これらは必ずおとなが配慮し、リスクを軽減しなければならないことだと思います。
知らなかった、気づかなかった、分からなかったでは子どもの安全は守ることができません。
子どもの前に立つおとなとしては最低限の知識と技術を身につけてグラウンドに立っていただけたらと思います。
一つおすすめの資格というか、サイトをご紹介します。
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指導者一人一人の意識が子どもたちの未来を守ります。
ぜひ多くの方に安全について考えていただけたらと思います。